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母語を支える  うえおか 裕

胎児の聴覚神経が形作られるのは第18週頃からといわれています。おなかの中では目覚ましい成長が始まっているわけです。改めて体内10か月の変化に驚かされます。女性の体も身ごもった時点からどんどん変化していくのだけれど、母子ともこんなに急速な変化は命を生み出すことの偉大さに尽きると思います。

 

既に、赤ちゃんはおなかの中からいろいろな音を聞いて生まれてくるのだけれども、その囲まれて育つ環境で使われている言葉が母語となります。朝日新聞の記事の中で、「赤ちゃんの頃は英語圏の赤ちゃんも日本の赤ちゃんもRとLの発音の違いに反応した」という実験記録の記事がありました。

 

ところが、「二つの音の違いに反応していた日本の赤ちゃんも、その後日常生活の中で過ごすうち、聞き分けることが出来なくなる」というものでした。日本人が英語を話そうとするとき、この区別は聞くことも話すことも苦手だということはよく知られています。当然、聞き取ることが出来なければ話すこともできません。言葉は聞き取ることから始まるのですから。ですから、赤ちゃんの言葉の獲得も音として聞き取るところから始まります。

 

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?、考えてみれば簡単です。使わない、聞こえない、不要なものには注意を払わなくなるという能力の省エネ化が起こるのだそうです。囲まれてそだつ場で使われる言葉が母語として考え方や感じ方を枠に嵌めていくのでしょう。

 

0歳から7歳ころまでは特に五感の働きが著しく発達する時期なので、その時にどんな言葉に触れるかは大切な事柄です。

 

その時に、身体が心地よく感じるよいリズムの言葉に触れることは子どもの心の安定と成長に欠かせないものではないでしょうか?古来、わらべ歌や子守歌、欧米ではナーサリーライムが有効とされてきた理由でしょう。

 

身体のリズムに添った生活のリズムを整えることが子どもたちの心も体も考える力も安定させることとなるでしょう。寝るー起きる、食べるー動くー排泄する、という身体が育つためのリズムが毎日繰り返されることが必要です。

 

この繰り返す生活の中に、たった10分あるいは15分の絵本を楽しむ時間を加えていただきたいと思います。美しい母語を生活の環境に置くには、通常の話し言葉以外の練られた絵本の言葉を身近なものにしていただきたいのです。

 

親子の楽しい時間を過ごす一つの方法として生活の一部に取り入れて、美しく整った母語の響く穏やかな時間を過ごしていただきたいと思います。

 

 

付記

 

赤ちゃんの絵本(幼い子が理解しやすいのは)

①   ストリーが明快であること

②   経過がきちんと描かれていること

③   言葉のリズムが幼い子どもの中で生きていること

④   音に面白味があること

⑤   絵または色が目に入りやすいこと

⑥   あっちこっちめくってみることが出来ること

 

「いないいないばあ」    童心社

「のせてのせて」      童心社

「おててがでたよ」     福音館

「がたんごとん」      福音館

他福音館「0 1 2」のものなど

 

1~2歳前後の子どもたちと一緒に絵本を楽しんで感じたポイントや絵本たちですが、これはあくまで私の感覚です。皆さんはいかがですか?

 

 

 

プロフィール

 

うえおか 裕

公益財団法人 ラボ国際交流センター会員・ラボ教育センター関西支部テューター

御所南小学校コミュニティ委員

 

1993年より中京区でラボパーティを主催、2歳から大学生までの子ども達と物語の世界を楽しみ、外国語や日本語で劇として再表現する活動を展開

同時に、児童館や市内小学校にておはなし会の活動も。


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