京都子育て支援サイトちゃいるす

すべてのこどもたちの健康のために
    文字サイズ  

産み方は生き方 坂内里恵

R0020589

長男が3才になりました。

3年前のあの日、長男は奈良の助産所で生まれました。助産婦の芝田先生、杉山先生、そしてだんなさまと4才の娘に見まもられて、まっすぐにこの世に出てきました。

 

さっきまでお腹の中にいた赤ちゃんを胸の上にのせ、その温かい重みを肌に感じていることの不思議。手を開かせて指を数えてみる・・・ああ5本あります。乳首を口にふくませてみる・・・わあ吸い付く!つよいつよい。娘もすっかり目を覚まし、頭を遠慮がちになでたり、赤ちゃんの指に自分の手をからませたりしています。

 

そして夜もふけて、4人で川の字になって眠りました。

 

次の日、カーテン越しのやわらかい光にあふれた2階の部屋に移り、夫は娘とお花見散歩に出て、私はぎくしゃくとした身体でベッドに横になる。横には暖かくて湿っぽい赤ちゃんがいます。トクトクトクトクと心臓は早い音を打ち、ずぴ、ずぴ、少し鼻が詰まっているけれど健やかな息をしています。やっぱり不思議なことだなあ。そして、思う。

 

ああまたここで産みたいなあ。

 

 

あの日がひとつのはじまりです。

私たちはその頃、東北に移住したいねと話していました。2011年のことです。私の実家は三陸、夫の先祖は会津で、東北地方と縁がありました。そこに3月11日の大津波がきて、見慣れた景色を飲み込み、知らず知らずのうちにまとっていた過信もはぎとっていきました。大きな衝撃、原発の不安、混迷の日々の中、お腹の中の命はただまっすぐにこの世に生まれてこようとしていました。その白いまっすぐな光にどんなに励まされたことか。

 

そして私たちは東北移住をあきらめ、近畿圏の助産所わに通えるところで新しい場所を探し始めました。ひとつ決めると、娘が通っていた保育園とのつながり、地域での人たちとの出会いがぐいぐいと太い綱になり、足元がどんどん見えてきました。

 

今、助産所わの15周年記念行事のお手伝いをしています。記念事業のひとつとして、お産ノート(助産所においてある出産の思いを綴ったノート)を製本する作業に関わりました。このノートがすごい。ひとりひとりの記録がそれぞれの人生の縮図のようで、編集そっちのけで読み込んでしまいます。妊娠生活~出産はハラハラドキドキの方もあれば羨ましいくらいの安産もあって本当にいろいろですが、出産後の数日間はどこか共通しています。心強く寄りそってくれた芝田先生をひとりじめ(あるいは二人じめ)して、先生の丁寧でしみじみとおいしいご飯を楽しみに待ちながら、ゆっくりと赤ちゃんとすごす特別な時間。3、4日のとても短い時間なのですが、濃密で至福の時間は永遠のように長く、その時を経てそれぞれが前向きに助産所をあとにしているように感じます。

 

産み方は生き方、これは長女をとりあげてくれたあゆみ助産院の左古さんの言葉ですが、ほんとその通りです。

母子が無事なこと、赤ちゃんを授かること、産む場所を選べること、妊娠できること、よいことも悪いことも命に関わるひとつひとつすべてがかけがえのないことだと思いますが、一人でも多くの女性にとって、お産が暖かいものであってほしいと願います。

 

 

 

助産所わ 妊婦検診、おっぱいマッサージをはじめ母乳育児の相談、不妊のことなど相談にのってくださいます

www.jyosansyo-wa.com/‎

〒631-0806 奈良市朱雀1丁目13-10. TEL/FAX 0742-72-3541

 

あゆみ助産院 妊婦健診、母乳育児相談、乳児健診(1歳まで)、育児相談、思春期相談、更年期相談など

http://www.eonet.ne.jp/~ayumi55/index.html

〒612-0082 京都市伏見区深草山村町999-2 (京阪墨染駅より徒歩5分)
TEL:075-643-2163   FAX:075-641-5754


ご意見はこちら
ご意見箱 トップに戻る