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おいしい絵本  うえおか 裕

一日のほとんどの時間をおかあさん、養育してくれる人と過ごす乳幼児にとって、おうちの中はかれらにとっての世界、大きな経験の場です。

「いろんな体験をさせたい」といって小さな子どもたちをあちこち連れて行くことは、なるほどそうだな、と共感できる部分と親の満足になっていないかしら、と思う部分の両方を感じることがあります。

 

 今日はおうちの中で絵本を楽しむことが特別の日のご馳走のようなイベントではないけれど、毎日飽きずに美味しいご飯をいただくような、そんな共

通の体験であることをおいしい絵本とともにお伝えしたいと思います。

 

無題

 「おにぎり」という絵本があります。

お母さんの、いかにもお母さんの手があつあつのごはんを手に取り、おにぎりを

作ってくれます。お母さんの手も白いご飯も梅干も海苔もおうちの中で目にしたことのあるものばかりです。

 出来上がったおにぎりからは温かそうな湯気が出ているように感じます。

この本を一緒に読み、そして、「はい」と子どもたちに手渡す仕草をすると、まちがいなくどのお子さんも手を出し受け取り、「あむ」と食べてくれます。

読み手も子どもたちも「ああぁ~、おいしい」と共感できる一瞬です。

 

 くだもの


「くだもの」という絵本があります。

表紙のさくらんぼから次々にくだものが示されます。スイカ・モモ・ブドウなど。

そして、「さあどうぞ」という本文とともにつまんで差し出すと、お口をあけてくれるし、ときには自分がつまんでこちらに食べさせてくれます。

 この絵本を見ると、「絵本は絵が命だな」と思ってしまします。ほんとうにみずみずしくおいしそうなのですから。

 

 

 

やさい

 姉妹篇として「やさい」があります。こちらも同様の反応というか、絵本を介してのごっこ遊びのように、何度でも、いつ読んでもやりとりを楽しむことができます。

 

 おにぎりもいろいろなくだものもやさいも、おうちの中で目にしたことのある幼児の実体験がベースにあります。自分の知っているものが絵本にあらわれ、それを読み手(お母さん)と一緒に楽しむことができるのですから。

 

 絵本というフィクションの世界と自分が知っている、あるいは経験したことのある(食べたことのある)世界が結びついた時、うれしいだけでなく習慣として意識なしに行っていたことが、「ああ、そうだ」と感じ取ることが出来るのだろうと思います。頭の中にイメージが広がり、リンゴを食べた時の感触が言葉には整理しないまま嬉しい気持ちとともに心に蓄えられていくだろうと思います。

 

 大人は出来たてのおにぎりを食べた経験、みずみずしい果物の口に広がる感覚を思い出すことでしょう。生活の体験がこうして絵本で差し出されることで

おうちの中にいても豊かな経験を蓄えていくことができるだろうと思います。

 

 

「おにぎり」           福音館書店

「くだもの」           福音館書店

「やさい」            福音館書店

「りんご」            童心社

 

プロフィール

うえおか 裕

公益財団法人 ラボ国際交流センター会員・ラボ教育センター関西支部テューター

御所南小学校コミュニティ委員

 

1993年より中京区でラボパーティを主催、2歳から大学生までの子ども達と物語の世界を楽しみ、外国語や日本語で劇として再表現する活動を展開

同時に、児童館や市内小学校にておはなし会の活動も。


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